高校時代の担任の先生が小学生の頃に体験した話
夏休みに父親の田舎の爺ちゃん家に遊びに行った先生は毎日山や川で遊びまわっていた。
その日は近所の山を探検してると山中に急に開けた場所があり、そこに紅い木の棒(角材を鳥居の色のような朱色に塗ったもの)が直径10メートルほどの円を描くように10数本並んでいた。
なぜかそのあたりはむせるような嗅いだこともない異臭が立ちこめ、周りは雑草が生い茂ってるのに、円の内側だけはほとんど生えてなかった。
また周りにはまばらに虫の死骸や鳥か何か小動物の骨のような残骸が散らばっていた。
さすがに恐ろしくなり急いで爺ちゃん家に戻りその話をすると急に険しい顔になり
「円の中に入らなかっただろうな!?あの山には近づくなと子供に言わなかったのか?」
と息子(先生の父親)に怒鳴った。
念のため明日は家の中で大人しくしろと言われたという。
後日父親に話を聞くとなんでもあの山には物の怪がいて、ああして円を作るとその中に閉じ込めておけるという伝承があるという。
「父さんの子供の頃は度胸試しであの円の中に入る、棒を倒すだなんて遊びもあったんだが今思うと恐ろしいな」と笑って言っていた。
山にまつわる怖い話56