私の体験した話。
山登りの仲間たちで、ある大きな孤島へキャンプに行った。
恵まれた島で、海辺では魚が釣れ、少し山に入れば茸が取れた。
砂浜でキャンプしたのだが、真夜中にテントの周りで音がする。
何か重たいものが歩き回っているようだ。
意を決してテントの外を見ると、大きな黒い猪が残飯を漁っていた。
山から下りてきたのかと驚き、刺激しないように静かにした。
翌朝確認すると、残飯はすっかり食い尽くされていた。
しかし砂浜に残されていた足跡は、私たちのものだけだった。
キャンプはその日で切り上げることにした。
山にまつわる怖い話