見渡すかぎりの案山子 2019/3/14 2019/3/29 雷鳥一号 知り合いの話。 大学の研究室で山に登った時の事。 廃村を見つけたので、そこで一泊することにした。 まともに残っている家屋敷は一つだけで、その前にはかなり広い田圃があった。 田圃は荒れ放題で水も入っておらず、案山子が一つだけ、ぽつんと立っていた。 翌朝、起き出してきた者は田圃を見て唖然とした。 一晩寝ている間に、田圃は見渡すかぎりの案山子で埋め尽くされていた。 どれもぼろぼろで、その数は百を優に超えていたらしい。 帰り道では、その廃村を通らなかったそうだ。 山にまつわる怖い話3