体の上に乗る影

知り合いの話。

冬山登山に出かけ、大きな山小屋に泊まった時のこと。
団体用の広い部屋に三人で雑魚寝したそうだ。

夜中に、仲間の苦しそうな声で目が覚めた。
隣を見やると、彼の身体の上に黒い影が乗っているのが見えた。
影は仲間を両手で抱きかかえ、どうやら接吻しているようだった。
慌てて身を起こすと、たちまち影はかすんで消えてしまったという。

仲間の生命に障りは無かったが、その身体は冷え切っていたらしい。
計画を切り上げ、次の日に山を下りたのだそうだ。

山にまつわる怖い話3

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