見えない壁

友人の話。

キャンプ地で竃を組んでいる時のことだ。

手頃な石を探して歩いていると、何も無い場所で思い切り顔をぶつけてしまった。
驚いて確かめてみたが、そこには何も見当たらない。

空間を撫で回している彼を怪訝に思ったのか、メンバーの一人が近寄ってきた。
彼も同じ場所で、何か壁のようなものに思い切り顔からぶつかった。
何だ何だと思って二人で調べたが、やはり何も見つからない。

そのままでは癪に障るので、他メンバーを一人一人そこに呼んでみたのだという。
全員が見えない壁に、一回だけ顔面をぶち当てることになった。
見えない壁の正体は不明のままだが、皆にえらく怒られたそうだ。

山にまつわる怖い話4

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