使われていない旧道

知り合いの話。

町の外れの山中に、今はもう使われていない旧道が残っている。
夜中によくそこを通る知り合いが教えてくれた。

夜になると旧道途中の峠で、離れて後ろからついてくる車がいるのだという。
ヘッドライトは見えるのだが、車の車体が見える距離まで近づいてこない。
峠の出口で待っていても、いつまで経っても下りてこない。
夜釣り仲間ではわりと知られた話だが、本当に不思議だ。

それを聞いていたもう一人の知り合いが口を開いた。
彼のお爺さんが、昔その峠道で何かに追いかけられたことがあると。
お爺さんが言うには、青く燃える二つの人魂だったらしい。

彼は夜中にそこを通るのをやめることにしたそうだ。

山にまつわる怖い話4

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