友人の話。
仕事中に近道をしようと、細い山道に車で乗り入れたという。
曲がりくねった道を走っていると、急な曲がり角にカーブミラーが設置してあった。
ミラーを確認した彼は、慌ててブレーキを踏み込んだ。
こちらを睨んでいる女の子が、ミラーに映っていたのだ。
女の子はこちらを睨みつけたまま微動だにしない。
彼はそろそろと車を動かし、カーブの向こう側が直接見える位置まで前進した。
そこには誰もいなかった。
思わずミラーに目を戻すと、そこにはやはり、こちらを見ている女の子がいる。
彼が動転していると、女の子は車に向かって手を伸ばし歩き始めた。
必死で車をバックさせ、山道の入口まで戻ったのだそうだ。
山にまつわる怖い話6