大きな

先輩の話。

アメリカで山に登った時の話だ。
同じ場所でキャンプをしていたアメリカ人と楽しく飲んだのだという。
テキサス出身の男性が、面白い話をしてくれた。

彼曰く、テキサスには昔大きな飛蝗がいたのだという。
何でも牛の代わりに鋤を引かせていたくらい大きかったのだと。
牛を連れて行けない山奥深い開拓地は、この飛蝗を使って耕したのだそうだ。

それを聞いていた別の男性が口を挟んだ。
「俺の故郷のフロリダには、人間を咥えて飛んでいくくらいにでっかい蚊がいたぜ」
きょとんとしている先輩をよそに、皆が大笑いした。

聞くと、この大飛蝗や大蚊の話、どうやらアメリカでは有名な民間伝承らしい。
実際向こうの山は、そういう大きな虫がいても不思議じゃない雰囲気なのだそうだ。

山にまつわる怖い話6

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