先輩の話。
アメリカに留学した時に、クラスメイトから聞いた話。
インディアンの伝説で、サンダーバードという怪鳥の話が伝わっているという。
色々とタイプがあるらしいが、級友の地元ではかなり気持ちの悪い姿だったらしい。
馬をさらえるほど大きく、羽毛の間から鱗が見えたのだそうだ。
切り立った高い岸壁の中腹に、その怪鳥は巣穴を作っていたという。
ある時、大学のロッククライミング部が、この穴を調べに登ったそうだ。
穴に達して中を覗いた学生は言葉を失った。
動物の骨がうず高く積み重なっていたのだ。
どうやら伝説は本当だったらしい。
遺骨はよく知られた動物のものばかりであった。
その中には、人間のものもあったのだという。
しかし、巣穴の主の骨は見当たらなかった。
もしかすると、今でもこの国の空を飛んでいたりするかもな。
そう言って、友人は話を締めくくったそうだ。
山にまつわる怖い話6