見知らぬ子供

知り合いの話。

実家の里山を歩いている時に、見知らぬ子供とすれ違ったのだという。
今時珍しい着物姿で、おかっぱ頭にぎょろりとした目をしていた。
何処の家の子かなと思い顔を見ると、頬っぺたが大きく膨らんでいる。
どうやら何か口に含んでいるらしい。

その時子供の口から、緑色をしたピクピクと痙攣するものが飛び出した。
太い蛙の足だった。

平然とその足を口中に押し戻し、その子は歩き去ったのだという。
後で知ったのだが、村は過疎が進んでおり、その年代の子供はいないのだそうだ。

山にまつわる怖い話7

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