残されていた歯型

知り合いの話。

何年か前に、彼の地元の山で三人組のパーティーが遭難した。
残念ながらしばらく経って、ある沢で全員の遺体が発見されたそうだ。

遺体はほぼ白骨化していたが、骨のあちらこちらに動物の歯型が残されていた。
骸を食べた動物がいるのか、もしくは動物に襲われたのか。
遺体の状況から見るに後者の可能性が高かったらしく、直ちに検死に回された。

検死から得られた結論は意外なものだった。
遺体に残されていた歯型は、そのほとんどが人間の成人男性のものに酷似している
と判断されたのだ。

この検死結果は間違いと判断され、結局三人は遭難事故死として処理されたという。

山にまつわる怖い話8

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