同僚の話。
山奥の家屋修繕を請け負った時のこと。
その家の裏山には、椎茸を栽培するための朽ち木が投げ棄ててあった。
朽ち木にはたくさんの椎茸が生えていたが、かなり異様な外見をしていた。
傘の部分が一方向に小さく五つ、枝分かれしていたのだ。
まるで赤子の掌を連想させたという。
施主が言うには、時たまこのような形の椎茸が生えるのだそうだ。
その都度、不気味なので棄てているとのこと。
聞くとその昔裏山には、間引きで亡くなった子どもを慰める地蔵が有ったらしい。
良かったら持って帰りなさい、味はいいんだから。
そう言って勧められたそうだが、謹んで辞退させてもらったそうだ。
山にまつわる怖い話8