知り合いの話。
ボランティアで小学生ボーイスカウトを指導していた時のこと。
地元の山小屋を借りてキャンプをおこなったという。
万事つつがなく進行し、その最終日。
彼は忘れ物がないか山小屋の中をチェックしていた。
確認が終わり「もう残っている者はいないな?」と誰にともなく呼びかけた。
いません。
か細い男の子の声が返ってき、小屋から出ようとしていた彼の足を止めた。
子供たちは皆、既に外で整列していたはず。
振り返ってみたが、誰の姿も見えなかったという。
彼は何事もなかった顔をして、引率を無事に終了した。
ただ、個人ではもうその山小屋は利用しないと決めているのだそうだ。
山にまつわる怖い話8