肩にかかる圧力

後輩の話。

峠道の下でバイクを止め、缶コーヒーを飲んでいた時のこと。

猛スピードで峠を駆け下ってくる軽自動車があった。
運転席に見知った顔が見えたので手を振ると、車は急ブレーキをかけながら彼女の側に滑り込んできた。
同級の友人が中から飛び出してくる。
真っ青な顔をした友人に抱きつかれ、彼女は困惑した。
何とかなだめて話を聞く。

友人が語るところによると、車で峠を越えた時、後ろから肩を掴まれたという。
一人で運転しており、車内には他に誰も居ない筈だった。
しかし肩にかかった白い手が、確かに視界の端に映っている。
もう後ろもバックミラーも見ることが出来ず、必死で車を運転していた。

そうこうしているうち、バイクにもたれた彼女が見えた。
その途端、肩にかかった圧力が消えたのだと。
二人で車内を確認したが、やはり後部座席には誰も乗っていなかったそうだ。

山にまつわる怖い話9

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