同僚の話。
持ち山で竹を切っている時のこと。
一本だけ、妙に太い竹に出くわした。
普通の竹の倍はあったらしい。
大きさに躊躇いながらも鉈を入れると、節から盛大に水が吹き出した。
どこにこれだけの水が収まっていたのか、不思議になるくらいの量だった。
竹薮一面が水溜まりとなり、その日の作業はそこで打ち切って退散する。
翌日、家に昔からある井戸が枯れてしまったという。
「あの竹と何か関係があったのかなぁ?」
水道工事の段取りをしながら、彼はそう不思議そうに首を傾げていた。
山にまつわる怖い話24