高校の時の話。
通ってた高校は交換留学があって、行き先はNY。
自分は英語が得意な方だったケド、やっぱ辞書無しでは分からない事も一杯だった。
パパがボランティアでやってる消防団の仕事で、夜いなかった時の話。
文化の違いをお互いに挙げてみんなで盛り上がってた。
一番下の妹はもう寝てて、話が段々と怪談話に。
ママはロウソク、ジェニファーはコイン、妹は紙にアルファベットを書き込んで。
ロウソクに火をつけて電気を消して、準備万端。
ママと妹が相向かいに座って、妹の隣に自分、少し離れたソファーにジェニファーが座ってた。
お互いで、アンタ動かしてる?なんて確認しだした。
鳥居マークでコインが止まって、ママと妹があたしの書いた紙に注目した。
痛い
ごめんなさい
後悔している
帰りたい
死ぬのは間違い
ここは地獄
そんな事が書いてあった。
ママも妹もあたしもガクブル。
これ、誰なんだろう?
聞いてみようぜって事になって、再びママと妹がコインに指を置いて見つめ合った。
あなた、誰なの?
ママが小さく呟くと、コインが動き始めた。
チラリとママと妹の顔を見ると、凄く怯えた顔で、二人ともオーマイガッとかアンビリーバボーって何度も呟いてた。
ヤバイ。こりゃマジだったかって今更気付いて、あたしも凄く怖くなった。
単語と数字、そして
ジェンは知っている
家族に伝えて欲しい
という言葉を指してコインは鳥居に戻った。
ママは真っ白な顔色でガクガク震えて何かをずっと呟いてた。
ジェニファーが、もんじゃくってポイされた紙を拾って読んで、フリーズした。
もうホント訳わからなくて、とりあえず説明してほしいと頼んだ。
書かれていたのは、先月、留学先の学校で自殺した子の名前と、自殺した日付だった。
その子はジェニファーをジェンと呼んでいて、悩みを相談していたという。
こりゃーもうダメだ。
早く電気つけようよ。
怖いからみんなでスイッチのトコまで行こうよ。
とか言いながらみんなで壁のスイッチのトコまで移動して、部屋のスイッチオン。
バリーンと音を立ててプチシャンデリアみたいな形の部屋の照明器具が弾け飛んだ。
もう、大絶叫。
コインは、早朝帰ったパパが朝食の準備をしてる時には無かったと言ってた。
意地悪言われなくてヨカッタ(笑)
もんじゃくる=手でもみくちゃにするってカンジです。
群馬の方言だったのね…。
補足です。
ジェニファーは同級生で、その子から相談を受けてました。
親が進学について非常に厳しく、その期待に応えられずにいた事。
でも、親を愛してるから何とか頑張りたいという事。
遺書はなかったそうです。