母から聞いた、私が3つか4つの頃の話です。
母によると私は昔から胃腸の弱い子供だったようで、小さな子供用のパックに入ったジュースでも一気に飲むとお腹を壊すので、何度かに分けて飲ませていたそうです。
それでもやっぱり子供なので、私はもっとたくさん飲みたいと駄々をこねたりしていました。
ある日、私と母二人で家にいた時のこと。
ジュースを冷蔵庫に入れておいても私が扉を開けて勝手に飲んだりするので、困った母はジュースを冷蔵庫の上に置いてみたそうです。
母がジュースを飲めずに駄々をこねる私から目を離し家事をしていると、さっきまで駄々をこねていた私が急に静かになりました。
不思議に思った母がリビングに戻ってみると、先ほど冷蔵庫の上に置いたジュースを、私が美味しそうに飲んでいだのだそうです。
うちにあった冷蔵庫というのは、よくある一般的な大人の背丈ほどの大きさのもので、その上に置いてあるジュースを、当時3、4歳の私が取って飲めるはずがありませんでした。
母が「そのジュース、どうしたの?」と聞くと、私は「取ってもらった!」と嬉しそうに言うので、少し怖くなった母は恐る恐る「誰に?」と続けて聞くと、私は迷うことなく「おばけ!」と答えたそうです。笑
母いわく、その日は生きた心地がしなかったそう。笑
でもきっと優しいおばけだったんだろうね、と言っていました。
余談ですが、母によると小さい頃の私はそういった出来事が度々あったようです。
母と二人で親戚のお見舞いに行った病院の誰もいない廊下で、「怖い人がたくさんいるから帰ろう!早く!」と泣きじゃくったり、一人で誰もいないところに向かってボールを投げたりするのを何度か見たことがあるとのことでした。
一つ覚えているのは、4つ下の妹のことです。妹が3つくらいの時。
親戚の家から帰る車内の後部座席で、妹が突然後ろに向かってバイバーイと手を振りだしたので、「後ろの車の人に手を振っているのかな」とその時は思いました。
後で聞いてみたら、「海の中からたくさんの人がこっちに手を振ってたから振り返した」とのことでした。
そこは海なんてない内陸の田舎町で、この時は私も小学生だったのでひぇ~っとなったのをよく覚えています。
幼い頃の私達姉妹は度々母を怖がらせていたようです。ごめんねお母さん。笑
私も妹も二人とも大人になった今は立派な零感になりました。笑
というか全く覚えてないんですよね。
子供の頃はそういうものがよく見えるというのは本当なんでしょうね。
ほんのりと怖い話128