送り狼

ちょっと上の追っかけてくる犬の話で、地元の送り狼(人間じゃない)の話を思い出した

ありがちな話かもだけど、むかーしむかし山ばっかだった我が地元は悪天候だったり日が落ちた後の山中は人外が跋扈する魔境で、人間が立ち入っていい場所じゃ無かったそうな(実際、地形的な問題でも悪天候時の通行はかなり危険だったんだけど)

ただある嵐の日、首長の子供が高熱を出して、生死の境をさまよう事態に陥った
放って置いては死んでしまうと首長はタブーの嵐の山中を突っ切ろうとしたが、山の妖に惑わされあちこち彷徨うことに

そこで自分の片腕を代償に、山狗の異形に道案内の願を掛けたそうな

果たして、山狗の案内を受けた首長はに街へ到着し、医者に息子と腕を治療してもらい、村へ帰ることができたんだと

それ以来、嵐が酷い日に山を通る人が居ると白い山狗が後ろをついて来て、迷いそうになると自然に誘導してくれるようになった…らしい
どっとはらい

願掛けた対象は山狗なのに、怪異の名前は送り狼という謎

山にまつわる怖い話、不思議な話57(実質58)

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