何年か前、夜中にちょうどマリンの後ろくらいで花火して遊んでました。
で、一息ついた所で友達と二人でベンチに座って暗い夜の海を眺めてました。
すると、海に膝くらいまでつかりながら野球のトンボ掛けするような動き(トンボってピッチャーマウンドなどを整える木の棒みたいなやつね)をしてる人がいました。
初めのうちは「あの人、こんな時間になにやってるんだろう??」くらいにしか思いませんでしたが、あまりにも長い時間そうやってるので不思議に思い友達に話かけました。
「あの人、なにやってるんだろうな?」
「あぁ、あれ、さっきから俺も気になってたんだ」
「見にいってみよっか?」
「おう」
で、二人で近づいてきました。
すると、その海に膝浸かってる人はどんどん海に入っていって、
今度は腰まで海に隠れ上半身しか見えない状態になりました。
「あれって人かな?」
「いや、わからん」
暗くて顔が見えないのですが、影としては完全に人でした。
で、もっと近づいてくと今度は首まで海に隠れてしまいました。
「戻ろっか」
「・・・うん」
ベンチの方に向かって戻る途中です。
ふと後ろを振り返るとその人(?)が徐々に海から上がってくるのです。
近づいていった時と逆に首から腰、膝と、そこまで上がってくると、また同じ動きがはっきり見えるようになるのです。
「・・・・」
「もう一回近づいてみるか?」
「・・おう」
怖いのもありましたが未知のモノへの好奇心が勝りました。
近づいていくと案の定その人(?)はまた海の方へ入っていくのです。
近づく、離れる、2,3回繰り返したでしょうか、ただその人(?)とは、常に一定の距離があるので影の細部がよく見えませんでした。
最後に近づいてベンチの方まで戻るとき、今までその人(?)との間隔がおかしいのです。
そいつとの距離がどんどん距離が狭まってくるのです。
「おい!これ、ヤバクないか??」
「・・・・」
「逃げようぜ!!」
「でもアレ、人じゃないの!?」
「絶対生きてる人ではないだろ!!」
トンボのような木の何かを持ちながらソイツはどんどん近づいてきました。
影で顔は見えないのですが、確実に人の形してるのです。
海での不審な動きがなければ完全に普通の人だと思うくらい。
詳しい距離はさすがに覚えてませんが、夜中に人の顔がぎりぎり認識できない距離といった所でしょうか。
ただソイツは確実に二本足で手に木の何かを持ちゆっくり近づいてくるのです。
ホントに全力で逃げました。
一緒に居た友達は心霊的な経験がなかったので心の底から怯えてました。
正直いうとこの辺りの記憶が曖昧なので書くのは控えますが、次にはっきりと覚えてる場面は朝日が昇ってきた時でした。
ソイツが居た場所に戻ってみるも何もなく、いったいソイツが何だったのかは全くわからずじまいです。
後味の悪い話ですが、自分の体験談なので・・・。
ただハッキリわかるのは、あのマリンスタジアムの裏辺りの砂浜は決して良い場所ではないという事くらいです。
別の日の夜にはシャワールームが並んでる前を歩く何かを目撃してますし。
歯切れ悪くてスマソ。
海にまつわる怖い話・不思議な話3