二日前の8時前後だったと思うのですが、自分が住んでるところは九州の海の近い町で、とりわけ夜となれば海岸沿いの地域は豆電球の明かりも無い位真っ暗になります。
しかし、その日は月夜で逆に周囲を見渡せるほど明るかったので、仕事の帰りにビールを買って、海水浴場からかなり離れたブロック塀で敷き詰められた海岸によって行く事にしました。
その海岸は人家もまばらな田んぼの先にあり、静かで、風の気持ちい所で真昼でもまったく人のいない場所でした。
自分のお気に入りの場所でもありました。
海岸につくと案の定、月明かりで足場も良く見える程でした。
さっそくビールを取り出し適当な場所に腰掛け一本に口をつけました。
秋の海風もまだ心地よいくらいに涼しく、酔いも回ってきたのか開放的な気分になり、海岸を端から端まで歩いてみたくなり、僕は立ち上がりました。
そもそも、この海岸はブロック塀を敷き詰めた石段がアーチ上に並んでおり、それが階段状に海まで4段ほど続いており端から端まで500メートル程ありました。
私は上の段を端まで歩いていく途中、海に接している一番下の段の所に木の棒が立っている事に気がつきました。
私は水深を測るために置かれた木の棒だと納得してどんどん端まで、近づいていきました。
しかし近づけば近づくほどそれが木の棒でない事に気付き、足を止めました。それは突然腰をかがめ、海面にしゃがみました。
私は地元の人が釣りでもしているんだと分かり、ホッとしました。
私は好奇心でその人の姿の見えるところまで近づいていこうした時に、生生しぃ音が聞こえました。
そしてその人が釣り竿を持っていない事に気付き背筋が冷たくなる感触を覚えています。
なぜならソレは全裸でしゃがんで魚を食べているように遠目から見えました。
他に見ようによっては私の勘違いとも思えたかもしれません
しかし、ソレは遠目とはいえ人と見るにはあまりに細く、そして長身でした。
私はゆっりと後ずさりし、後ろに向き直り、わき目も振らず元きた石段をかけ戻り、自転車で海から逃げました。
その日の夜はその出来事をずっと反芻していました。
勘違いですめばそれに越したことはないし、見間違いと馬鹿にされたほうが気も楽になる思いです。
海にまつわる怖い話・不思議な話14
コメント
生きた人間で、魚丸かじりじゃなかっとしても全裸の時点で近寄らないほうがいいわ。