当時パチンコ以外に特に趣味もなかった残念な俺の経験談です
その日は仕事も休みで朝からガッツリパチンコ三昧の予定で、地方だがチェーン展開していて客つきもそこそこいい某店で打ち始めた。
午前中に数箱出て機嫌良く休憩とって飯食いに行った。
で、帰ってきてさぁ打つぞって思ったらさ、2つ左の小柄なおっさんが目についたんだよ。
パチンコ打ってたら時々変な人は見かけるからある程度スルースキルも身についてるんだが、あからさまにパチンコ台のガラス部分に顔…ってか額をくっつけて顔は下を向いた状態で、何か1人でブツブツ言ってるんだよ。
あーヤバい人いるわぁくらいの感じでちょっと気分悪くなりながらも再開し始めたんだよね。
オッサンの両隣では普通にオバサンと爺さんが打ってて、神経太いなぁと思ったのを凄く覚えてる。
というか、オッサンと俺の間にいたオバサンは1000近くハマってたから熱くなってそれどころじゃなかったのかも。
で、少ししたら30前後の兄ちゃんがデータカウンター(台の真上にあるデータ表示機)見ながら移動してるのが目に止まった。
スロットならともかく、パチンコのデータ見て何の意味があるんだよ。
って思いながらチラチラ見てたら、そいつがさっきの危ないオッサンの座ってる台のデータも見てるんだよね。
いやいや、いくら下向いてて気付かないかもしれないからってそれはどうなのって思ってたんだが、オッサンは相変わらず額を盤面のガラスに付けてブツブツ言ってるんだよ。
しかも良く見たら台打ってないんだよね上皿に玉も出てないし。
正直よくこんなオッサンが今まさに座ってる台のデータとか見れるなと思った。
と同時に自分の台に熱いリーチが来て俺は数分ほど自分の台に集中してた。
結果、残念ながらハズレてしまって心の中でクソッて叫んでふと左横を見たら1000回転越えてオバサンが単発引いてたwww当たったけどカワイソスwww
で、オバサンの更に隣を見たら…さっきのデータ見てた若い兄ちゃん座って打ってんだよね。
あれ?あのヤバそうなオッサンどいたの?って思って周り見たんだがオッサンの姿はなかった。
まぁいいかと思いながら自分の台に向かって打ってたら明らかに違和感があるんだよね。
パチンコ台の盤面のガラスってさ…結構反射するから後ろの方が見えるんだよ。
さっき周りを見た時にはいなかったんだけど、明らかに…明らかに俺の後ろにいるんだよね…あのヤバいオッサンが。
座って打ってる俺の真後ろに立ってうつむき加減でずーっと見てるんだよ。
俺の台の演出を見るってより、俺のうなじを見てるような感じで。
気持ち悪いとしか思わなかったけど、ここは華麗に無視して打ち続けるしかないと思った。
パチンコ屋って結構音がうるさいから基本的に俺は耳栓してるんだけど、オッサンのブツブツの声が徐々に徐々に大きくなって聞こえてきたんだよ。
「どうして…どうして…どうして…どうして…」
知らねえよなんで俺なんだよ…と思ったけど、バッて勢い良く立ってそのままちょっとトイレに退散した。
トイレにまではついてきてなくてホッとしたんだけどさすがに気味が悪かった…
なんだよあれマジで…って思いながら席に戻ったらオッサンが俺の席に座って、またガラス面に額をくっつけてブツブツ言ってた。
これはダメだと思ったんだが、なんか恐怖よりも勝手に人の売ってる台に座ってるおっさんにイラッときておっさんの胸ぐらつかもうとしたら、凄い勢いでオッサンがこっち向いた。
なんつーか、眼が、大きい穴?みたいな感じで黒い汁(涙?)がダラダラ垂れてた。
口はびっくりするほど大きく開いて耳栓してる俺の鼓膜がおかしくなるんじゃないかって程の声で
「どうして!!!!」
って叫んだと思ったら…そのままスーッと消えた。
そこでハッキリとわかったんだこの人生きてる人じゃないんだって、幼少時に心霊体験を3度ほど経験しているんだが、大人になってからはとんとなくなってたから正直焦った。
そこからの俺は自分でも驚くほど淡々としてた。
店員呼んで出玉を交換して換金してすぐさま帰路についた。
それ以来その店には行ってないしパチンコもほとんど打たなくなった。
ハッキリ言って完全にトラウマです…よく失神しなかったと思う…しかしなんで俺だったのか、どうしてって何のことだったんだろう。
ただ、このトラウマのおかげでパチンコをほとんどやめることが出来て、今の生活自体は逆に充実してるから感謝すべきなのかも迷ってる。
何でもいいから怖い話を集めてみない?1