遊んでいた弟

幼稚園のころ、一歳違いの弟と近所の公園で遊び、家に帰る途中のできごと。

その日、なぜか弟は足がのろく、何度も先にいってしまいそうになった。
やがて自分と弟との距離は50、100メートルとあいていった。

道は長い直線。
母親に弟を責任もって連れて帰ってきて、誘拐とかあるとこわいからといわれていたので自分は後ろをふりかえり、弟の姿を確認しつつ歩いていたのだが、距離は不思議に広がるばかり。
ついにその道を大きく曲がって、自分一人家についてしまった。

するとテレビの前で弟がねっころがっているではないか。
状況が飲みこめず、もう一度長い直線の道までひき返したが、すでにそこには弟の姿はなかった。

川をはさんでいるので弟が近回りしたとはとても思えない。
心配してずっと見てたし。
だからテレビの前の弟を本当の弟だと考えることにした。
今考えれば、遊んでいた弟はどこにいってしまったのだろう。

不可解な体験、謎な話~enigma~1

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