私が社会人成り立てで家賃3万のボロアパートに住んでいました。
手取り14万ぐらいで家賃3万でも大変きつかったです。
なんとかやりくりしていましたが、20歳そこそこの女なので何とか3万より安い物件はないものかと、探してました。
そんなおりに実家がセレブな友達が2年間イギリスに留学するので、家が痛まないようにしたい一戸建てがある。
タダで住まないか?
と言ってくれて私には渡りに船な話、二つ返事でお願いしました。
ただ友達が、ここは事故物件だ、と言いました。
友達の父の愛人にあてがった家だが、三ヶ月前に家の梁にロープで首を吊った。
私はおばけよりタダで広い一戸建てに住める方が嬉しくて、全く気にしないよ、と言って住み始めました。
最初の一週間はビクビクして過ごしましたが、全く何もなく拍子抜けしました。
むしろ好転していきました。
喪女だった私は浮いた3万で美容院に行き、スッピンがデフォだったのに化粧したり、とにかく絶好調でした。
男性にももてました。
そんなこんなで約束の2年が立ち、友達が帰ってきました。
インターフォンが鳴り、私が出ると
いきなり友達は尻餅をついて口をパクパクし始めました。
私が2年間一度も見なかった幽霊でも見たのかと、問いかけると、違う!154ちゃん、死んだ愛人にそっくりになってるの!
と言いました。さすがに怖くなりしばらくしてその家から引っ越しました。
そうしたらまた私は喪女に戻りました。
今から思うと不思議なことはありました。
その一戸建ては立派な古民家で日本風ですが、中には愛人が使っていたであろう家具家電が残っていてすべて洋風でした。
洋服や日用品などはすべて処分されていました。
残された洋風家具は素晴らしい!の一言でした。
白くて、ガラステーブルは猫足で、たぶん全部同じブランドで統一されていたのだと思います。
その中でひときわ気に入った家具がありました。ドレッサーです。
白を基調として引き出しの取っ手は金で、鏡は大きな楕円形。ここも額縁のように金でふちどりされていました。
私は良くここに座るようになりました。
座って鏡を見つめるうちに「髪がボサボサだな、、美容院行こう。」となり、また次の月にはふっと「口紅の色はもう少し赤いのがいいな。」という感じでどんどん愛人に近づいていきました。
家を出る決定的なきっかけもあります。
私の姿を見て口をパクパクさせてた友人は、あの後すぐに「あまりにも似ているから、写真を見せる!」と言いながら私を車に乗せました。
実家に着くと彼女のお父様は在宅してるようでした。
彼女は「父にあなたの姿を見せるのはちょっとアレなんで、車で待ってて。」と言い家に入って行きました。
しかしだいぶ経っても彼女が持ってこなくて、だんだんと私は不安になりました。
車を抜け出し玄関ドアの前に立つと、彼女と父親は口論しているようでした。
彼女は「写真持ってるでしょ!貸してよ!」というようなことを言い、父親は「昔の話を蒸し返すな!」という感じでした。
私はしばらく突っ立ていました。いきなりドアが開いて、父親が出てきたました。
数秒沈黙した後に「写真を持ってくる、、」とカッスカスな声で言うと二階へ上がっていきました。
私は彼女の家のリビングに通され、写真を見せてもらいました。
衝撃でした。似ているのはもちろんなんですが、愛人が着ている服が私が半年前にヤフオクで買ったワンピースと色違いだったんです。
何でもいいから怖い話を集めてみない?5