バーの女

この間のバイト先での話。
俺としてはオカルトであって欲しい話。

今はバーでバイトしてるんだが、この間の雨の夜に来た女性。
その女性、割と美人だったけど雨に降られたのか服から髪から濡れていた。
そのときは「あー傘持ってないんだー」くらいにしか思わなかった。

それでカウンター席の端(俺寄り)に座ったのね。
カウンターの内側には俺とマスター。
客はその女とDQNぽいカップル1組。

位置的に

マスター          俺
DQN          女

マスターがDQNの話相手になってたから、必然俺が女に注文をとるわな。
そしたらその女性は「いえ、、、」とか言うのさ。
内心(じゃあ帰れよ、、、)とか思いつつ料理してた。
一応ハタチなんだが体質的にアルコールがだめだから俺が料理担当、マスが酒と客の相手担当してる。

そんで、三十分くらい?したら女が立ってドアから出で行った。
外はまだ雨だったし、女は傘を持ってなかった(うちは傘置きが入口の内側にあるからわかった)から追いかけて外に出て「あの、よければ傘使ってください」と言ってビニール傘(105円)を渡した。
しばらく迷っていたが「、、、どうも、、、」といって受け取ってくれた。

んで、店の中に戻るとマスが「どうしたー?電話?」とか言ってきた。
「いえ。今のお客さんが傘持ってなくて、俺のあげてきましたw」
そしたら
マス「え?お客さん来てた?」
マス「マジでか、気付かなかった。こんなことは初めてだ」とか言うのさ。
俺とDQN達は「マスターしっかりーw」なんて笑ってた。

ここまでが前置きな。

不思議なのはその日の閉店時と翌日。
店を閉めるときにマスターが「あれ。あれ?」と棚をガサガサしていた。
「どうかしましたー?」と聞くと、どうもボトルが一本無いらしい。
俺が一瞬疑われたが「いや、無理でしょ」といったら「だよなー?」と言われた。

そのままアパートに帰って、少し寝て大学行った。
バイトの前に部屋に帰ったら、ドアノブに傘とスーパーの袋がかかってた。
傘は100円ショップのビニール傘。
袋の中にはブランデーのボトルが入ってた。

内心めちゃくちゃビビりながらバイトに行った。
それからマスターに「無くなったボトルってなんです?」と聞くと袋に入ってたのと同じ銘柄、、、
そんなに高い物でもないらしく、新しく買ってきてた。

今も部屋にボトルがあって始末に困ってる。

不謹慎かもしれんが、あの女性は是非とも幽霊であって欲しい。

死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?272

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