ブドウの木

中学の1学期終業式の日だからちょうど今ころの話。

隣の家では道路に面したブロック塀あり、ブドウの木の棚代わりになっていた。
ブドウの木は道路の側溝にまで届くぐらい育っていたが、道路脇で埃っぽいし、側溝にはフタが無く、ドブもたまったりするので食べられることはなかった。

学校帰り、家の前で別れてブドウの家の方へ帰っていく友人。
自分は家に入っていった。
友人は持っていた木の枝を振り回しながら歩いていたので、その調子でブドウのの蔓も跳ね上げたそうだ。
そこで側溝にスッポリとはまった死体を見つけた。

2~3日前に「○○(←ウチです)に行く」と行って自宅を出てから、結局ウチには来なかった近所のおじいさんだった。
ひき逃げだった。

遺体が見つかる前、自宅の前の側溝に思いっきり血が流れていたんだけど、「でかい魚でも捌いてるんだなー」ぐらいにしか思ってなかった。

その後、犯人を連れての現場検証をしているのを見かけ、捕まったのを知った。
轢いてしまった後、わざわざブドウの蔓で隠したのだそうだ。
一応事件は解決したわけで。

だからもう、夜に側溝を歩くのは勘弁してください、おじいさん。

ほんのりと怖い話18

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