隣の外人さん

いわゆる心霊的な怖さではないのですが…

仕事帰りの電車の中で携帯いじってたら、隣に座った黒人っぽい外人の男の人がずっとこっちを見てたんです。
睨んでたわけではないのですが凄く見つめられてたので、携帯嫌いなのかな?と思い、バッグにしまいました。
手持ち無沙汰になったのでボーっとしてたらその隣の外人さんに「ドコノエキデスカ?」と声をかけられたんです。

私は以外に上手い日本語にびっくりして、(ああ、話かけたかったから見てたのか)と思い、「○○駅ですよ。そちらは?」
と聞くと外人さんは「○○○○○デス」と国の名前をいわれました。

意味がわからなかったのかな…?と苦笑してたのですが、その国がちょうど『あい○り』で旅している国だったので 「遠いですね!」と番組で見た風景を思い出しながら喋っていました。

なんの仕事をしているか、とか趣味はなんだ、とか本当に色んな話をしました。
男性は車のディーラー?みたいな事をしていると言っていました。
上司とおりがあわない、とか愚痴をこぼしていたので(日本のサラリーマンと変わらないな)と微笑ましくなりました。

男性が降りる駅がだんだんと近づき話もヒートアップしてたのですが、男性が急に「デンワバンゴウヲオシエテクダサイ」 と言ってきたので、さすがにコレはやばいんじゃないか、と感づき、「いやです」と言おうと思ったのですが、今まで親しげに話してきてたので失礼かな、と思い、やんわりと断ろうと思い「携帯変えたばかりで番号覚えてなくって」と言うと、男性は「ソレ、ボー○フォ○デスヨネ?メニューオシテ0オセババンゴウデマス」とこの場ではいらない程の詳しさを披露。

内心(終わった…)と思いながら番号を教えたのでした。
まあしつこかったら着信拒否すればいいし…
とその時は簡単な気持ちだったのです。

その夜さっそく電話が。内容は上司の文句。
私も心当たりがある内容だったので少し会話をしました。
「マタ、ソウダンシテモイイデスカ?」と言うので「はい」と言ってその日は終わりました。

次の日は仕事中に電話がかかってきていました。
しかし仕事で疲れていたので折り電はしないで寝てしまいました。
それからは毎日のように電話はかかってきていて、仕事中に電話がとれない私はさすがに辟易して着信拒否をしてしまったのです。

そんなことも過去になりつつある一ヵ月後のこと。

急に自宅に警察が来たのです。「Kさんですか?」確かに私の名前です。
「○○さんを知っていますか?」その名前はあの黒人の外人さんでした。
神妙な顔で言い出した刑事さんの口から意外な出来事が。
「○○さんは二日前から行方不明になってまして、とある事件の容疑者なんですが…」

話を要約するとこうだった。

二日前、外人男性の上司が殺されたというのだ。
上司の自宅近くに外人男性の車があり、その車の中に携帯があったというのだ。
その携帯のメモには「Kさんがいけない。相談にのってくれるといったのに」と英語でかかれてたというのだそうだ。

それを聞いて私はゾッとしました。
何回も電話をかけてくれたのに…それを無視したからなのか?
混乱した私に刑事が言いました。
「そしてそのメモにあなたの住所が書かれていたので…」

耳を疑いました。
男性に住所まで教えた覚えはありません。
本当に怖くなって刑事に男性と知り合ってからいままでのことを話しました。
刑事はとにかく何かあったら連絡するようにと言い残して帰っていきました。
しかし私はこの住所がバレているのと恨まれているらしい事で恐ろしくなって、男性が逮捕されるまで友人宅に泊めさせてもらいました。

それからすぐに男性は逮捕されたらしいですが、いまだにこの家が誰かに見張られているようで空恐ろしくなります。
もう絶対に気楽に番号を教えない…と心に誓いました。

ほんのりと怖い話27

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