テレフォンカード

肝心な所を覚えていないんだが・・・

俺は小学4年から3年間くらい、テレフォンカード(以下カード)を集めていた。
集めていたといっても、登下校時に電話ボックスの中に落ちている使用済みのカードを拾っていただけなんだが・・・
ほとんどが使用済みで、たまに1・2度数残りがあるカードがあった。

当時は携帯電話はおろか、ポケベルすら普及していなかったため、通学路にはたくさんの電話ボックスがあり、平均すると毎日3枚程度拾っていたような気がする。

夏だったと思うが、電話ボックスの中を見ると奇妙なカードが落ちていた。
白地に、青っぽい文字で「○○店の右側」(○○はレンタルビデオ屋の名前)。
手描きではなく印刷されたもので、そこは行ったことのある店だった。
色々なカードを拾ってきたが、ものすごく不思議なカードだった。
レンタルビデオ店の宣伝か?それにしては、内容がなさすぎるし、右側って?
しかも残り度数が「16」位あった。(と思う)

何日かたった土曜日だったと思う。
カードに書いてあったレンタルビデオ屋に行き、書かれていた内容の意味がわかった。
店の前に3台の電話ボックス・・・
そう、その右側のボックス内にまたカードが落ちていた。白地に青っぽい字が書かれたカードが。
なんて書いてあったか覚えていないが、次のカードのありかだったと思う。
残り度数は「15」位(前回より1度減っている)

マンガや小説のような展開・・・
大冒険の予感・・・
本当にこんなことがあるんだって興奮した記憶がある。
度数が減っているし。このまま「1」まで行ったら何があるんだ?

数日後、友達2人にここまでの経緯を話し、カードに書かれた場所に行ってみた。
指定された電話ボックスにカードは落ちていた。
全員興奮。
しかしそのカードに書いてあった場所は誰もわからなかった。

なんとかしてその場所を調べようと、10歳位年の離れた友達の兄貴にカードを見せた。
その兄貴はカードに書かれた場所を知っていた。
家から、20キロほど離れた繁華街にあるボーリング場のゲームセンターだった。
次の休みの日にそのゲームセンターにいきカードを手に入れた。

その後もカードを拾い続け(この辺の記憶があまりない)残り度数がひとケタになったころ拾ったカードに、またもや、誰もわからない場所が書いてあった。
友達の兄貴に聞いてもわからない。
小学生の俺たちに考えられることといったら本屋に行って地図を見ることぐらい。
結局わからないままそこで、冒険を終わらせてしまった。

誰かのいたずらかもしれないが、かなり手の込んだいたずらだと思う。
冷静に考えれば、謎な部分はたくさんあるが、当時の俺たちにとってはすごく不可解な出来ごとだった。
カードはすべて保管してあるので、探せば見つかるかもしれないが、いったい何だったのだろう?

不可解な体験、謎な話~enigma~ 65

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