典型的な幽霊

やはり深夜のコンビ二帰りの話。

女の幽霊がアパートの柵につかまり、まだ電気のついている1階の部屋を、カーテンの隙間から必死にのぞこうとしていた。
青白くやせ細り、腰までたらした長い髪、提灯袖で後ろリボンの白いワンピース。
お岩さん状態の顔は薄笑いしていて、一目で頭がイカれてるのが分かった。

あまりにも典型的な昭和幽霊なので、いまどき珍しいなとながめていて、気がついた。
透けていない。質感がある。幽霊ではなく、生きている人間!
ダッシュして逃げた。

不可解な体験、謎な話~enigma~ 78

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