数年前の話。
いきなり元彼からメールが来た。
「私子、元気か?
つらいことあったんじゃないか?ちゃんと食べてるか?
お前のことがすごく心配だ。
やっぱりお前俺のことまだ好きだったんだな。
わかってたけど、お前の愛の強さがそこまでだったとは正直とまどってる。
お前はもっと自分の気持ちを押し殺してしまうタイプだと思ってたから。
髪伸びたんだな。痩せたな。
俺が引っ越したこと、Bに聞いたの?
ちゃんと話そう。やり直せるかどうか二人で話し合おう。
明日ドア開けとくし、入ってこいよ。
ひさびさにお前の手料理も食べたいし。
元彼男」
別に私はもう元彼に興味ないし、髪はあの頃より短いし、とくに痩せてもいないしなにもかもがイミフだったから返事せずにほっといた。
その後、元彼と共通の友人から聞いた話。
元彼が某アパートに引っ越してから、毎晩女が窓から覗いてくるようになったらしい。
なぜか元彼はそれを「私子が未練があって毎晩来てるんだ」と脳内変換。
毎晩その女の顔に
「入ってこいよ」「遠慮するな」「やり直そう」「まだ好きだ」
って口説いてたらしい。
友人Bに
「それ私子じゃないし、私子はもう新しい彼氏がいるし第一三階の窓からどうやって足場もないのに覗きこむんだよ」
って指摘されて、やっと目が覚めたそうです。
その後元彼は入院した。
元彼の精神がおかしくなったのか、本当にアパートに「出た」のか
わからなくてこっちまでしばらく怖かった。
ほんのりと怖い話66