山の中に近づいてはいけないと言われる淵があった。
ある男がその淵で魚釣りをしていると、なにやら足がむずむずする。
ふと足元を見ると、小さなクモが足の指に糸をかけ、淵の方へ戻っていった。
男は別に気にせず、釣りを続けていたが、またも足がむずむずするので見ると、先ほどのより少し大きなクモが男の指に糸をかけていた。
うっとおしいと思った男は、その糸を近くにあった切り株にかけ、釣りを続けた。
しばらくしてふと先ほどの切り株に目をやると、その切り株に淵からやってきた何匹ものクモが糸をかけては、また淵へ戻っていく。
みるみるうちに切り株は糸で覆われ、真っ白になってしまった。
すべてのクモが淵に戻ってしまうと、淵の方から「それ引け、やれ引け」というかけ声が聞こえ、その切り株は男の見守る中ものすごい力で引っ張られ、淵に沈んでいった。
恐ろしくなった男は釣り道具もそのままに、慌ててその場から逃げ去り、2度とそこへは近づかなかった。
山にまつわる怖い話3

コメント
このお話は、私も昔読んだ事があります。
それによれば・・・
《冒頭》
面白いように魚が釣れるので、男はクモの事など放っておいて夢中で釣りを続けていた。
《末尾》
逃げ去った男は「まあ、大漁だったからいいか。」と魚籠(びく)の中を覗いてみると、
入っていたのは、魚ではなく沢山の木の葉だったという。
・・・という箇所があったと記憶しています (爆)