母が仕事場の同僚さんに聞いてきた話です。
同僚(以下Aさん)はおじいさんと同居しているそうです。
おじいさんの趣味は盆栽で、なかなか良い作品らしく、展覧会などでいくつか賞をもらったこともあるそうです。
ある日のこと、いつも通り盆栽いじりをしていたおじいさんが酷く動揺しています。
「どうしたの?」と慌てて聞くと、おじいさんは「喋った」と。
意味が分からず「誰と?」と聞きなおすと、「盆栽が!喋ったんだ!!!」と声を荒げます。
Aさんは半信半疑でしたし、少し可笑しくなり「なんて言ってたの?」と聞くと
「いつもありがとうって…」
それは良い事だねって言うとおじいさんは静かになり、Aさんも本当の事ならおじいさんの愛が伝わったのだなぁと嬉しくなったそうです。
と、ここで終われば良い話なんですが、このおじいさん余程怖かったのかすぐに手元にあった全ての盆栽を売り、道具も手放し、その一件以来、盆栽には一切手を出していないそうです。
賞をもらう位なんですから良い出来なのでしょうにちょっと勿体ないw
お礼を言って売っぱらわれるとは盆栽も思ってなかっただろうね。
ほんのりと怖い話66