人魂なんぞにはならん

亡くなった祖父が生前、話してくれたこと

祖父の祖父(私にはひいひいおじいさん。ややこしいのでじいさまとします)が亡くなった時、祖父は人魂を見たらしい。
じいさまが危篤の知らせに、大学から帰省して夜道を急いでいた祖父の前に、いきなり釣るし火が現れたかと思うと、驚く祖父を誘うようにゆっくりと前を進んで行く。

その後を付けていくと自分ちで、釣るし火はたちまち大きくなったかと思うとそのまま屋根まで飛んで行って消えて行った。
途端に家の中から泣き声が聞こえ、慌てて飛び込むとちょうどじいさまが亡くなったところだった。

「まぁ、おれが死ぬ時は人魂なんぞにはならん」
と言っていた祖父。
でも、私は祖父が亡くなった時、大学生で家から離れていたが、夢で祖父が元気な姿でいるのを祖父が亡くなった日に見ていた。

「じじさま、元気になったの?」
と聞くと笑顔でうなずいていた。
が、朝起きたら母から電話があり祖父が亡くなったことを知った。

きっと祖父が最後の別れに来たのだろう。
別れの告げ方も色々あるらしい。

ほんのりと怖い話76

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コメント

  1. 匿名 より:

    「おれが死ぬ時は人魂なんぞにはならん」って思いつきもしない言葉のような気がするけど言い伝えでもあるんかね