リサイクルショップ

疲れてるんだな・・・っで済ませちゃえば済む程度の体験なんで、大して怖い内容でも無いんだけど。

リサイクルショップで働いてるんですが、結構得体の知れない物が入ってきます。
例えば、刃が錆びてて「ルミノール反応」が出ちゃった長ドスとか、タンスの地板に切り刻んだ写真と護符?が釘で見えないくらい滅多打ちされてたり、分厚いアルバムなんだけど写真が何枚焼き増ししたんだってくらいに同じ女性の同じ写真がギッシリ貼られたアルバムとか、女性用の大人の玩具に男の写真が貼り付けられてる奴とか「お爺さんを買ってください」って言って骨壷を持ってきたおばちゃんも居ました。

墓石を持ってきて、「ごめんなさい、これは買い取れないです」って言ったら「使用済みにしたら買い取ってくれるのか??」とか聞いてくるおじさんとか、変な物や事を上げだしたら幾らでも上がっちゃうですが・・・

それで今回の本題なんですが、倉庫で見つけた時に、起きた出来事を。
一応一般のお客様の買取時は買い取れる物、買い取れない物を分けさせてもらって買い取るんですが、業者買取の場合は一括買取で店に出せないものは、こっちで処分するってやり方なんです。

業者さんのは、一回の持ち込みの量が多いから一旦倉庫に入れて、スタッフが多い時とか手が空いてる時に選別するって感じ。
その日はダンボールで15箱ほどが積み重なってて、もぅ本当(‘A`)←こんな顔しながら選別してたと思う。

その中から出てきた物って言うのが「壷」。
蓋のある壷なんだけど見た目以上に中身がやばかった。
蓋が御札で押えつけられてて、(あーやべーもんだな・・・)とは思ってたんだけど、仕事だから中を確認しないといけない。

御札を剥がして、何かの接着剤なのか蓋と壷がくっ付いてるのを、工具で少しずつ剥がしてたんだけど、どうせ売り物にはならないのは判ってたから、接着部が剥がれた所から強引に蓋を外して中を見た瞬間、何かの顔がこっち見てるのがわかって、思わず「ウワッ!!」って叫びながら片手で抱え込んで剥がす格好だったので、手から滑り落ちて割っちゃったんだ。

割れた中から出てきたのが、爬虫類だの・虫だの・干乾びて何かわからない生き物とか、全部干物っぽくなってました。
あとは御札?写真?っぽいものが入ってました。※こちらも中で水分を吸った後グチャグチャになって干乾びたのか原形をとどめてませんでした。

うげぇって思ったのと同時に、他のスタッフに見せて反応を見たいって言うwktk感が膨れ上がって、「ちょっとちょっと、こっち」って小声で声掛けて、「何~?」って感じで来たスタッフに「凄い物出てきた!」って言って、付いてくるスタッフを見て、テンションが一気に急加速。

そのスタッフは見た瞬間、なんぞこれ??って感じで怪訝な顔をしながら首をかしげて、顔を近づけた瞬間・・・「・・・ん・・・・・・・うぎゃぁ!」って・・・
その声を聴いた瞬間、何か今日の仕事をやり遂げたって言う達成感と共に、「なっ!凄いだろ!!」って言う爽快な一言と満面の笑みを差し上げたんですが・・・
思いっきり胸を叩かれた。一応上司なのに・・・
そのスタッフも他のスタッフに同じ思いをさせたかったんだろう。他のスタッフを呼んでは同じ事が・・・

それを全スタッフで繰り広げられて、結局最後に私が片付けて不燃ごみで捨ててきました。
ただ一つ気になったのが、壷の中から俺を見てきた顔が爬虫類やらの顔のサイズとは異なっていたのに掃除したときには無かったっていう事でした。
※お払いとか神社に持ってけって思うでしょうが、出る毎に持っていってたら、財布と私の生活が干からびてしまう・・・無論経費で落ちるはずが無い。

その日はそれで片付けを済ませ、通常業務→閉店の〆業務を終えて、買い取った商品を修理したり綺麗にしたりだので、家に帰ったのが深夜の2時くらい。
家についてからは、風呂に入って次の日も8時半には出社しないといけないので速攻で布団に入って爆睡。
どれくらい寝たのかわからないですが、急に脳が動き出したようにパッと目が覚めて、目を開けた瞬間、何かが顔の前にあったんですが、それが何かがサッパリ理解できず・・・
※寝てる位置は、壁に頭側の布団をくっつけて寝てるので、頭上には何も無く見上げれば天井しか見えない。

その「何か」と焦点が合ってなかったので、眉間に皺を寄せながら細目で見たりして、何なのかを探ろうとジックリ見てて私の目の丁度上の方でパクパク何か動いていて、それが口だって理解すると直ぐにわかりました。
人の顔。

うわっ!て我に返って、反射的に避けようとしたんだけど体が動かず、「なんだコイツ!!!!」って心の中は疑問符だらけ。
距離は1mも離れてないくらいで、寝ている私の頭上から椅子に座った状態で腰を屈めて覗き込んでるくらいの距離でした。

口を一定の間隔でパクパクさせてて多分女性だと思う。息は感じられず、目はずっと開けたまま。
目は大体普通の大きさなんだけど、黒目部分しか無い感じ、ただ焦点が合わずハッキリした顔立ちはわかりませんでした。
豆電球で照らされてる程度の、暗い部屋なのに顔が妙に青白く、光ってる訳でも無いのに顔があるのがわかる。
かなり不気味でした。

体が硬直して身動きが取れないけど、何かする訳でもなく相手は口をパクパクさせたまま動かない。
気持ち悪っ!て思いながら、体動け!ってもがいてたら、頭の中に直接声が響くって表現が正しいのか、耳から聞き取るのとは違う感じで「指が動けば大丈夫」って親が子供に優しく言う感じの声が聞こえて、何故かその言葉は正しいって必死に指先を動かそうと、我武者羅に意識を指に込めてました。

ピクッて指先が動いた瞬間に体全体が動くようになったんで、すぐに飛びのくように離れて警戒して見ると、壁から頭だけ出た女性がこちらをヌゥ~っと見上げてきました。
っで、体が動くようになって五感が戻ったのか、女性が口をパクパクさせてたんじゃなくて、延々「違う・・・違う・・・違う・・・」って言ってたんです。

警戒しながら、どれくらい対峙したかわからないんですが、急に見上げられた状態のまま壁の中に消えてしまいました。
少しの間呆然としながら外を見たら、若干明るくなってて、脱力感と共に数時間後には仕事に行かなきゃ・・・っていうゲンナリ気分。

その日スタッフに、その話をしたんですが、周りのスタッフはビビる人・笑う人それぞれで、今現在私を含め何か起きたっていう事は特にはありません。
壷と関係があるかはわからないですが、その日の内に起きた出来事なので合わせて投下しました。

たまに見えるって言う事はあるんですが、毎回どんなに近くで見えても、ピントのズレたカメラのように見え、何故ココに居るのかとか、この人の名前は~~で~~を訴えてるとか、そんな事は一切判らないです。
ただ、いつも見える時や嫌な感じがする時は、体の何処かが叩かれたように痛くなったので、何も前触れも無く見えたのはそれが初めてでした。

ほんのりと怖い話77

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