晴れ着の女の人

元カレの近くの山なんだけど、不思議だったのでカキコ。
元カレは中国地方の山合いにある集落に住んでた。8集落くらい。
水道はきてるけど、みんな井戸水飲んでるような水と空気のきれいなところでした。

秋の連休に彼の地元を見に連れてってもらった。
で、私が行くと、集落からワラワラと人がでてきて「彼氏君の彼女かねぇ~」とあいさつしてくれた。
なんか、いい人たちだなぁと思ってたんだけど、変なことがあった。

山に一番近いところにある家は、あぜ道沿いにあって農機具を置くような粗末な小屋だったんだけど、そこから、女の人がでてきた。
滅茶苦茶きれいだった。
真紅みたいな晴れ着も似合ってた。

見とれてたら、周りの人が女の人に帰れ帰れときつく当たりだした。
女の人はケラケラ笑って、山の中に入っていった。
なんで、晴れ着(振袖のド派手なの)を着て山の中に入っていくのかわからなかった。

彼氏に聞いても答えてくれないので、ほっとくしかなかった。

彼は家で、山で遊んだ話とかをしてくれて、山のどこに何があるかわかってる的な自慢をするので、次の日に連れてってもらった。
きのこのあるところか、沢とか楽しかったんだけど、山深いところで開けたところに小高い土山みたいなのがあって、「あそこは?」って言ったら、「あそこはなにもないよ」って、彼がほかの方にあるきだそうとした。

そうしたら、晴れ着の女の人のケラケラ笑う声がきこえてきて、びっくりした。
怖かったので逃げようとしたのに、女の人のほうも気になって逃げ遅れてしまった。

女の人は、土山のテッペンにいて、ケラケラ笑いながらこっちを見ていた。
で、よく見ると、土山の上には井戸みたいな石組みがあった。井戸だったと思う。

で、ケラケラ笑いながら、その井戸にペッと唾をはいた。
井戸に唾を吐くのが、なんというか不謹慎な感じだったので、気持ちが悪くて、逃げようとしたら、、、彼氏はいなかったorz

女の人は、ケッケッケと笑いながらこっちに降りて近づいて来た、、、
すっごく怖くて心臓がバクバクした。

でも、何故か頭は冷静で、ここであさっての方向に逃げても、遭難して死ぬかもしれない(すごい山がたくさんあって、山の深いところまできてしまっていたようなので)
女の人は気持ち悪いけど、この人と話せば、里まで連れてってもらえるかもしれないと考えた。
心臓泊まりそうなほど怖かったけど、こっちから女の人に近づいて行った。(大きい犬を飼ってたのも度胸ついたおかげかも)

女の人は、こっちが近づいて行ったので、逆にちょっと意外だったみたいで一瞬きょとんとした。
その、きょとんが普通の人に見えたので、私はちょっと落ち着いた。
「すみません、彼氏とはぐれて道が分かりません。よかったら一緒に帰ってください」とお願いした。

女の人はケラケラ笑って至近距離まで来て、私の顔に自分の顔がくっつくくらいで止まった。
さされたらどうしようと思ったけど、

女の人が「私と一緒にいてはだめ、さらわれる。ここから沢にはでられるか?」と小声で言ってきた。
「沢はわかります」と言ったら、今の時間なら沢に沿って降りれば里の人間が炭焼きをしているはずだから、沢に沿って山を下りろと言われた。
すっごく、キビキビとした話し方で男前な感じだったから、ついつい「一緒に行ってください。怖いです。」と頼んでしまった。

そうしたら、「だめ、私は仕事があるから。私と話したことは誰にも言わない方がいい。振り返らずに行きなさい。」と。

仕方なく、そのまま沢まで逃げていき沢づたいに山を下りて行ったら、煙が見えて、煙を追って行ったら炭焼き小屋があって、おじぃさんがいてくれた。
ぶっきらぼうで、おじぃさんの方が怖かったけど、里へ一緒に降りてくれたので助かりました。

道すがら、女の人のことを聞いたけど、あまり教えてくれなかった。
でも、お役目があって山にすんでいるコゲに仕えに行っていたのだろう、キミがお役目にされなくてよかったね、よく無事に帰れたと言ってくれました。
男の人の前には、コゲは現れないから一緒にいけば大丈夫と里まで送ってくれました。

最後に、彼氏はどうした?と聞かれたので、置いてかれちゃってと笑い話にしたら、「だから、きねぇとねんといかんのじゃ」とブツブツ言ってました。

彼氏の家についたら、彼氏に土下座されましたが、きねぇとかコゲとか聞きましたが、知らないと言われて終わりました。

その後、女の人は見かけず、自分の街に帰ってきましたが、、、
彼氏とは別れたので、よくわからないです。
でも、自分的には不思議だったのでカキコ。

ちょっとおかしい綺麗な女の人が、山にいるコゲという何かに仕えていて、いつもはおかしいふりをしていたというだけです。
コゲは男の人の前には姿を現さず、集落の女性に奉仕されてるみたいでした。
また、集落の男の人は「きねぇ」と寝ないと一人前として見られないような感じでした。

265 : ID:OQ1VbzlmO

>>257
なんかエロ怖い話だな
泉鏡花を連想した
元彼は集落の密命を帯びてたんじゃないかと疑った
コゲに攫われなくてよかったな

266 : ID:zyLhOWQX0

キ印で振袖で山ん中っていうと、やっぱり京極じゃないか?

「き姉」は良識ある現実の人間だったんか
山の神さんは普通は女で里の男誘惑するんだけど、コゲってどっちだなや
里から立てた「き姉」が「ほふり」的な役割だとすると、コゲは女で
「き姉」の肉体を借りて里の男らと交わるのかや?

267 : ID:zyLhOWQX0

そんで、男はそういう使い道があるから生かしておく=山に入っても咎めない、現れない
しかし女はテリトリーに入ってきたら怒り、見つけたら攫って食う

うん、きっとこうだなや
日本昔話にもあっただや

268 : ID:MkM2fDAm0

>>250
>私と一緒にいてはだめ、さらわれる

これってさ・・・・さらうのは妖怪や神じゃなくて、里の人なんじゃ・・・・

272 : ID:AkqnwhQr0

みなさん、レスありがとうございます。

>>265 さらわれなくてよかったです。

なんとなくですが、女の人と同じ奉仕をさせられたかもしれません。
女の人は巫女の装束とかじゃなくて、真紅の振袖を着てたので、たぶんエロイことかなと思いました。

>>266 あぁー!そうかもしれません。コゲが間接的に交わる的な??
元カレは女性経験がなくて、この旅行で!!ヒャッホー的な感じだったんですが(恥)、結構モテる顔立ちだったので、どうして今まで?と聞いたら「俺はそういうのは好きな人とする。」と言ってて、「里の人とは俺は違う。」とつぶやいてました。

コゲは神様というより、なんか関わりたくないよ的なニュアンスで、おじぃさんが話してたような気がします。

点をNGに入れました。ありがとうございます。

278 :ID:N1YygiYB0

>>263 レスしてなかったです。すいません。
きねぇは、たぶん神様的なものではないと思います。
たぶん、その振袖の女性だと思います。

>>266 レスがおかしかったです。すみません。
コゲは、女性か男性化はわからないんですが、、、
集落の人の家に、必ず真っ黒い猿(?)みたいなのが祀ってあったのでそれと関係あるのかと思います。

279 : ID:N1YygiYB0

私はてっきり、コゲが男で振袖女性が慰めに行ってるのかと思いました。
(性的な意味合いで)
でも、確かにそれだとコゲが男の前に出てこない意味がわかりませんね・・・。
あと、井戸に唾を吐いていましたが、ふもとの井戸を里の人が飲んでるのに嫌だなと強烈に思いました。

元カレが遠くに行ってしまったので、確かめもできずモヤモヤします。

284 : ID:vhPX613b0

>>279
唾液を吐くと言う行為には、出来た絆を断つという力があると言われている

伊弉諾尊が伊弉冊尊を追って黄泉の国に行かれた後で、地面につばを吐く記述がある。
これはイザナミを追って行って姿を見、言葉を交わしたた事で生じた「縁」を絶つため。
「縁」が切れたイザナミは、イザナギを追えず黄泉に引き返すしかなかった。

「葬式や野辺送りと行きあった時は、親指を隠して無言で通り過ぎる。出来ないときは、行き違った後で後ろに唾を吐く」
「不浄のもの(獣の死体)等を見つけたときは、数歩歩いた後で後ろに唾を吐く」と言う迷信となってこの呪術は生きている

山の神は女神が多いが、男もいる。獣(多くは大猿)が山の神となっている場合もある

287 : ID:N1YygiYB0

>>284
唾を吐くって、そういうことなんですね!勉強になります。
彼女は、ひそかにコゲとの関係を切ろうとしたのか、里人との関係を切ろうとしたのか、彼氏にみせつけるようにしてたので他に何か意味があったのか、、、

294 : ID:N1YygiYB0

ちょっと、待ってください・・・
>>265集落の密命・・・って、コゲが猿だったら私をささげようとしたとか?!
そうだったら、私になかなか手をつけなかったのも納得がいく気がします・・・。
キミも初めてならしばらく清くいこうとか言われ・・・
当時は自分に魅力がないからかと悩んでたんですけど、、なるほど。

295 : ID:vhPX613b0

>>287
説明が足りなかったかな 多分どっちでもない

コゲが山の神で土山がコゲの神域か神域の端だとすると、そこにいた晴れ着を着た女はコゲの女房で、彼岸と此岸を結ぶ架け橋(巫女役)と

通常彼岸の人間は此岸には来れないし、口を利く(縁を結ぶ)のもタブー視される
あちらに囚われた者がこちらに来るためには、あちらとの縁を切らないと駄目。だから唾を吐いた。
巫女だから、こちらの用意が済めばあちらにまた戻る

ここからは下世話な話
昔の日本では女の方が家と家の祭事を継いだ。これは女の方が呪力(神の力・霊力)が強いとされていたため。
その女の力は自分の子供に受け継がれる。そして婚姻関係を結んだ男を守る力ともなる

男を守る女の力は離婚で切れるが、子供に伝えた力は消える事はない。
子供は母親の呪力と、父親の呪力(父親がその母から与えられた呪力)の両方を持つ事になる。

婚姻=セックスする。と言う事。仮初の婚姻(一夜限りのセックス)でもある程度の力は分け与えられる
正式な婚姻と行うと、夫の呪力の一部と自分の持つ呪力を交換する事人もなる(等価交換にはならない)

だからまだ誰にも力を分け与えていない生娘は母親から受け継いだままの最高の呪力を持つ
呪力の強さでいえば、生娘>経験者>経産婦。(童は母親に守られている)
人身御供なんかで生娘が選ばれるのは、最強の呪力の持ち主だからだよ

神と対等の力を持つから、神の子供を宿す事も可能
神の巫女(女房)とセックスする事で、神の巫女(女房)の守護を限定的に受けることになるし、神から巫女に伝わった力(神がその母親から伝えられた力)のごく一部を受け取る事も可能

民間の成人の儀式では、経験者からセックスの手ほどきを受けるという風習もあった

298 :ID:vhPX613b0

>>294
その話が本当だとして、考えられるのは二つ

・村の成人の通過儀礼として、「晴れ着の女」と関係する事で一人で山の中に入る力を手に入れる
  →童貞の彼氏は半人前だったために、女(>>249)を守らずに一人で逃げ帰った

・村の男は「きねえ」と関係して「コゲ」の力を分け与えられる
 村の嫁(男の女房)は処女を「コゲ」に捧げる事が婚姻儀礼
  →男の女房だけど、実態は「コゲ」の妻

後の場合をモチーフにした漫画もあるよ
柴田昌弘の作品だったとおもう

299 : ID:N1YygiYB0

>>298
ありがとうございます。なんとなく納得しました。
柴田昌弘さんの作品、ググってみます。

確かに、私の妄想の方が強くなってきたかも(あぁかも?こーかも?と)。
でも、一つ言えるのは、そんな山に私を置いて逃げた彼とは別れて正解だったってことですかね。

まとまりのない文章に、付き合ってくださったみなさん、ありがとうございました。
もし、中国地方のO県からT県にまたがる山々で、真紅の振袖の女の人を見かけても近寄らないようにしてくださいまし(半笑い

では、ROMに戻ります。

山にまつわる怖い話72

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