うちのオヤジ、若い頃は鉄砲ぶち(狩猟)が趣味だったんだけど、ある年、「山にとりこまれる」と言い出して、それ以来ピタッとやめた。
なんでも、鳥や動物の次の動きがすべてわかるようになってしまって、自分は山にとりこまれつつあると感じ、無性に恐ろしくなったんだと。
飛び立つ前のキジの飛ぶ方向も、ウサギが隠れてる雪の下の穴もキツネの足跡がとぎれていても、どこに潜んでいるか等々が何もかも気味が悪いほど直感でわかるようになってしまったんだと。
その時、「これは人間の感覚ではない」と感じたんだそうな。
一緒に狩りに行ってた仲間は、オヤジと一緒に行くと、面白いようにウサギやらキジやらがとれるので、オヤジが突然狩りをやめたことを非常に惜しんで何度も誘われたが、オヤジは二度と山には行ってない。
おかげで70歳こした今も元気だけど、あのまま狩りを続けていたらどうなっていたんだろう・・・?
不可解な体験、謎な話~enigma~ 11