ミカサ

一か月くらい前、喫茶店でバイトしてたのよ。
その時に月3くらいで変な客が来てた。

そいつのどこが変というと、なんか風貌がおかしい。
毎回、冬でも紅いタンクトップで来て、下は短パン。
冬でもだぞ?ありえない。俺がいた地域は北の方だし真冬はくそ寒い。
厚着で3枚くらい着こんでもまだ冷えるくらいだし、夏はいいとして冬なんておかしすぎる。
そして、注文はいつも毎回アイスコーヒーなんだよね。どこまで暑いんだよってくらいコッチガ見てて寒いほどの事をしていく。

そいつが一回、突然奇行を始めた。
俺が厨房でカップ磨いてたら窓をダン、ダン!って叩く音がして、窓見たら、上半身裸で目を血走らせたそいつが、どっかの角材もって片手で必死に叩いてた。怖くなって店長呼んだら、店長突然窓開けてそいつ睨みつけた。
するといままで暴れてたそいつは、いきなりおとなしくなって引き返してった。

で、店長に聞くと、「あれはミカサ(?)だよ」って言われた。
俺は意味がわからず店長に説明してもらおうともう一回聞いた。

そしたら店長は詳しい説明をしてくれて、「毎月必ず来てくれる、神様みたいなものでミカサが来た次の日は必ず客足が普段より多くなるんだよ。」と言われて思い出した。
確かにあいつの来た次の日は客はちょっと多かった。

「でもね、ミカサは毎年、その年来る最後の日にちょっと利益を求めて窓をわって入ってこようとするんだよ。でね、あの時に入れていると、その次の年は客がほとんど来なくなる。だから近頃威嚇して追い返してるんだよ」って店長は言ってた。

最初書いたとおり、一か月前までやってたけどもうやめた。
理由は、そこからなぜか店の中で変な事が起こりだしたんだよね。
需要あるなら書くけど。
あの喫茶店いまどうなってるかな・・・・

ほんのりと怖い話78

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