お袋が来てる

母方の祖母がなくなったときの話

葬儀はほんと小さかったんだけど、私たち家族以外にNさんとYさんっていう祖母の親友だけが両方とも夫婦で葬儀に参加したんだ。

で、葬儀が終わって祖父母の家で軽く食事をしてたの。
そしたら、霊感がある伯父さんが「お袋が来てる」って言い出した。
その後しばらく「あ、いまNさん夫婦の方にいる」とかいって場所を教えてくれたんだけど、祖父の所にはほとんど寄り付かなかったんだよ。

そのことを不思議に思ってたんだけど、帰りの車の中で、私が寝たと思ったらしい伯父さんと母がぽつぽつと話し出した。
「お母さん、父さんの所にはほとんどいかなかったみたいね」
「ま、当然だろう。お袋が本当に好きだったのは親父じゃなくてNさんの夫のほうなんだからさ。」

それを聞いてうわあって思ったよ。
元々仲の良かった夫婦じゃなかったけど、そんな事情があったなんてさ。
幽霊になってもそこまでするのかって思ったわ。

ほんのりと怖い話80

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コメント

  1. 匿名 より:

    見える人というのをよく表している話だね