通勤で使っている駅で、ちょっと壊れたようなおじさんに遭遇することがよくあった。
きちんとスーツを着て上等そうなカバンを持って、身なりだけみたら普通のサラリーマンっていうか、どこぞのえらい人みたいな貫禄すらある中年。
でも、ずっと何かしゃべり続けている。
すごい早口で、何を言っているのか聞き取れないんだけど、誰もいない空間に向かってずっとしゃべり続けている。
ほかの人に何かするってわけでもないので、みんな遠巻きに見守るか無視するだけ。
お仕事でつらいことがあって壊れちゃったのかなあ、と気の毒に思っていた。
それが先日、帰宅途中にその駅で乗り換えを待っていたら、そのおじさんが降りてきた。
同じようなスーツ姿のリーマン達数人と一緒だったんだが、驚くべきことに、その人たちと普通に会話している!
会話内容は穏やかなもので、「今日はありがとうございました」「いやいやこちらこそ」などと和やかに挨拶しあって他のリーマン達は去っていき、おじさんだけ残ったんだが。
そしたらおじさん、またいつもの訳の解らない早口を言い始めた・・・
怖かった。
ほんのりと怖い話81
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今までで一番怖い