ロウソクの火

祖父の葬儀のロウソクの火が、手や扇子で強く扇いでも(本当は好ましくないらしいけど)、を吹きかけても、火が揺れるだけでまったく消えなかった。
葬儀場の人が持ってきた小さな器?蓋?みたいなのをかぶせてもダメ。
最終的に、ブチ切れた父が「いい加減にしろ!」って怒鳴りながら素手で握り消した。
その直後、私の持っていた数珠が切れた。

数珠はポケットの中に入れてた。
弾けるみたいな感覚があって確認したら二箇所切れてて、ポケット全体がカイロ入れてたみたいに熱くなってた。
ロウソクの件で親族みんな騒然としてたから、数珠の事は黙ってたんだけど、三回忌だしもういいかなと思って姉に話したら、その日、姉の数珠も壊れてたらしい。
ただ、姉はバッグに入れてたので、どのタイミングで切れたのかわからないらしい。

祖父は趣味で外国のお面を集めてて、私達が子供の頃遊びに行くといつもお面かぶって出てきたので、それにびっくりして泣かされたりもしたから、ちょっと苦手だった時期もあったんだけど。

最後まで驚かされたよ、まったく。

ほんのりと怖い話110

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