かーちゃんの友達から聞いた話を投下
その人がまだ小学生の頃の話
当時、テレビで「西遊記」ってドラマやってて、その人はラジカセで音声を録音しようとしてたんだって。
テレビから直接音を取る有線の録音じゃなくて周りの音や声も入っちゃうっていう方式で。
んで番組始まる前に試し録りしようと録音ボタン押して、数十秒ほどして止めて巻き戻して聞いてみたそう。
室内にいたのはその人とその人のお母さんだけ。
テレビはまだ付けておらず、お母さんは編み物してたそうで、入ってる音はどうせ小さな雑音だろうなと思ったそうだ。
ところが再生してみるとなぜだか牛の鳴き声が入ってる。
「モォ~~モォ~~」って。
その人は田舎生まれでひいじいちゃんの家だかが牛飼ってて、ナマの牛の声を聞いたことあるそうで、聞いた瞬間「牛の声だ」と思ったんだと。
なんじゃこれ、牛なんていないのに、とビックリ。
夜だし室内だし近所にも家畜いる家なんてないし。
しかも音割れするほどのすげえ音量で入ってたから慌ててボリュームを絞ったんだって。
そしたら、音を絞ったことで牛の声じゃないってわかった。
それ「モォ~モォ~」じゃなく、「ウゥ~ウゥ~」って苦しそうにうめいている低音の男の声だった。
その人、室内にいたお母さんに言おうとしたらしいんだけど、あまりに怖すぎて声が出ない、それに「いま何か言ったら良くないことが起こる」という勘らしきものが頭をよぎったそう。
慌ててテープ巻き戻してまた録音ボタンを押してカセットテープを上書き録音したんだって。
恐る恐る巻き戻して再生してみたところ、今度はザーッていう環境音とかしか入っていなくて心底ホッとしたそうな。
ほんのりと怖い話131