中古の戸建て物件

ちょっと嫌だった話です。

今年の夏なんですが、中古の戸建て物件探してたんです。
ネットで調べまくったけど、条件の合う手頃な物件なんてそんな急にはなくて、コロナの影響で戸建ての価格が高騰してるっていうし諦めかけてたところ、ちょうど狙ってた駅周辺で良い感じのを見つけたんで、早速内覧を申し込みました。

外観も門構えもすごくカッコよくて、一家でテンション爆上がりしました。
庭も綺麗だし水周りもリフォームされてて、全体的にとても上品でセンスのある家でした。
けど、納戸というか、物置きみたいな部屋があって。
窓がないから暗いんですが、そこだけ和風づくりでカビ臭く壁紙も黒ずんでて、床が、中央部だけ少し盛りあがる感じに撓んでいました。
他の家族も、その部屋をみるなり表情が変わって、やっぱり何かしら変な空気を感じたんだと思います。

皆そそくさと他の部屋に移動しましたが、私はジロジロその部屋をチェックしてて、天袋を覗いたら、なんかてるてる坊主みたいな布の小物があったんです。
その布には『わたしを』って書いてあったように見えましたが、ギョッとしてしまい直ぐにそこを離れたので定かでないです。
その場で不動産やさんに言おうと思ったんですが、今言ったら家族もあれを見てしまうだろうし、それは避けたかったしもう帰りたくて。
不動産屋さんにはお断りさせてもらいました。

ほんのりと怖い話143

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