人のようなもの

昨日、というか今朝の話。
取り敢えずの逃げ場を確保してちょっと余裕が出来たから書く。

今住んでるマンションが定期改修中で、壁を全部塗り替えるとかで足場が組まれたうえに窓を全部ビニールで養生され、全く外が見えない状態。
半透明ビニールでの養生だからある程度の光は入ってくるけど、すぐそこの足場を工事の人がうろうろするからカーテンも閉めないと落ち着かないし、本当に暗いし鬱陶しい。

せめて夜はカーテンだけでも開けてるんだ。
もちろん真っ暗で何も見えないけど。

そんな状態で、昨日の晩のこと。
夜更かししてしまって朝の4時過ぎ位かな、そろそろ寝ようと思って部屋の灯りを消したんだ。

そしたら、窓の方がぼんやり明るい。
外は真っ暗だし、夜には工事の人も当然いないし、灯りなんてあるわけないんだけど。

一度外した眼鏡をかけなおして、よく見ようと窓を振り向いたら、

べったり人型の何かが貼りついてた。

ぼんやり光ってるのはそいつの体。
夜光塗料を塗ったみたいな、ちょっと緑がかった光。
肌に半透明のビニールがくっついて、妙な皺感があった。
長袖のTシャツの様なものを着て、下半身はよくわからなかった。

ほっぺたも鼻も口もべったりくっつけてるんだけど、目の感じはよくわからなくて、でもまだ目は合ってないって感じた。
こっちに気付かれたらまずい!と思って、ゆっくり視線をそいつの顔から外し、でもそいつの体の一部が見える状態にして(もしそいつがちょっとでも動いたらダッシュで逃げるつもりだった)、ワンルームの部屋から出て玄関の方に行き、そのまま様子を伺ってた。

玄関からも、窓の光はぼんやり見えてたから、それが消えるまでそこに居ようと思ったんだ。何かあったら玄関から逃げられるように。
音がするのが怖くてドアチェーンはかけたままだったけど、鍵はゆっくり外して、何かあればすぐ外して飛び出す気満々だった。

暫く部屋の方を見てたら、ふっと光が消えた。
ほっとしたけど、当然今度は真っ暗で、別の恐怖が襲ってきた。

今電気点けたらやつに気付かれるかも。
でもこの暗い状態で、やつがまだ待ち構えてるかも知れない部屋に戻るのも怖い。
さっき冷静に逃げたつもりだったけどやっぱりちょっとパニクってて、携帯も部屋に置いてきてしまってた。

怖さで暫く逡巡したけど、もう部屋中の電気点けてカーテン閉めて今日は寝よう!と決意し、まず玄関の電気を点けた。

そしたら、 ガラガラバシャーン!!みたいな音(廊下をすごい勢いで何かが走ってきて転んだみたいな音)が聞こえて、ついでドアをバンバンバン!!!って物凄い勢いで叩かれた。

自分は玄関とすぐそこのユニットバスの電気つけたばっかりで、そのまま腰抜かしてしまった様になって動けなくなった。

ドアを激しく叩かれた後、ドアノブが回って、ドアがさっきまでの激しさが嘘みたいにゆっくり開いた。
そう言えばさっき逃げたくて鍵を開けたんだった。。と何処か冷静に考えたけど、全く動けなくて、ただそれを見ていた。

ドアはチェーンをしたままだったから、すぐ止まった。
そしたら暫く音が止まって、隙間からあの光る手と顔が覗いた。

さっき窓に貼りついてた時は気づかなかったけど、普通の人間よりかなり大きかった。
ドアの隙間から鼻と口、そんで太い指をねじ込もうとしていた。大き過ぎて指も数本しか入らなくて、チェーンに引っ掛けて外そうとしてるけど、うまく触れないみたいだった。

こっちを覗き込んでくるわけでもなく、ひたすら鼻と口、つまり顔の中心から押し入ろうとするみたいにぐりぐりねじ込んできて、でも当然入るわけない。

これが、不思議な位無音の状態で続いた。
ドアだけが押し付けられるたびにチェーンとこすれてガチャガチャいってたけど、それでもそんな激しい感じではなく、ゆっくり…。

顔と指がゆっくり押し入ろうとする度に、ガチャ…ガチャ…みたいな感じでゆっくり鳴って、めっちゃ怖くて腰抜けてるんだけど、どこか現実感がなくて映画をみているような感じだった。

どれ位の時間だったかわからない。
鳥の声が聞こえた。
それで、外が薄っすら明るくなってるのがわかった。
そしたらその顔がふっとドアから離れて、指も抜けて、そのまま静かになった。

腰が抜けたまま長時間同じ姿勢でいたから体が痛くて、上手く動けなかったけど、何とか立ち上がってドアを閉められるようになるまでもうそいつは現れなかった。

何が何だかわからない。
このマンションに住んで一年半、こんな経験どころか金縛りすらあったことはなかった。
曰くなんて聞いたことないし、改修工事で薄暗い以外の不満を感じたこともない、気に入ってた部屋だった。

今日明日は会社の友人の家に泊めてもらえることになり、土日のお昼にある程度荷物纏めて一旦実家に帰る。
大家さんに話も聞きたいけど正直衝撃的過ぎてもうあの部屋に戻る気になれない。多分、引越すことになると思う。

621 :

覚えてくれてる人がいるかわからないけど、何スレか前に、改装中のマンションの窓に謎の夜光マン(でかい)があらわれた話を書いた者です。
逃げようとしたら玄関に先回りされて、チェーンかけて開かないドアの隙間から、ずっと押し入ろうとされてたやつ。

あの後結局実家に逃げ帰って通勤片道1時間半の生活を送ってる。

あのマンションは通勤電車から見えるんだけど、見るのもちょっと怖いし、まあ見ないようにしつつ日々を送ってたのね。
でもその時結局何もされなかった訳で、いつまでも怖がってる自分がちょっと恥ずかしい様な気分にもなってきててさ。
今日朝来る時に見ちゃったんだ。

改装はとっくに終わったらしくて足場も何もなくなって綺麗になってた。
そんでその足がかりも何もない壁に、バカでっかいヤモリみたいなのがはりついてた。

というかヤモリなはずはない。
だって一室の窓よりでかいヤモリなんていない。
しっぽもなかった。むしろ人型ぽかった。

一瞬固まって、周りをこっそり見回したけど、特に誰も気づいた様子はなかった。
ちょっとそれ以上見る勇気が無くて、ずっと下向いてた。
動揺がすごくてスマホいじるとかそんな機転きかなかったさ…

あれが俺の部屋に現れたやつと同じかはわからないけど、もう二度と見たくない。
ぺたっと何もない壁にはりついてた。ベランダにいたとかじゃなくて。
こっちには気づいてないと思う。思いたい。
電車でも見える側の窓やドアに近づきたくない…

まさか後日談が出来ると思ってなかったので、怖いかどうかは別にして投稿してしまいました。
洒落怖レベルでないと思われたらすみませんorz
少なくとも俺には洒落にならないレベルでした…

622 :

スパイダーマン?

623 :

>>621
その感じだと他の人には見えてなくて
見えてしまっている616にだけ障りがあるみたい
いずれ見つかってしまいそうな気がする

624 :

心の病気の人っぽく感じるが

625 :

>>623
ちょ、ほんと怖いからやめて…
電車からマンションまでは少し距離があるのと、皆そんな窓の外とか見てなかったから気づかなかったんだと思う。
はりついてるやつも振り返ったりとかしなかったと思うし、明日からは見える側と逆位置にはりついて完全無視するわ。
お目汚し失礼しましたorz

626 :

ID変わったけど>>621です。

>>622
スパイダーマンって手と足しか壁についてない?様な、軽やかなイメージがあるんだけど、俺が見たやつは全身べったり貼り付けてるような感じ。
ポーズはスパイダーマンなんだけど…布団にうつぶせに寝てるのを縦にしたみたいな。
説明が下手で申し訳ない。

あとちょっと太ってるというか全体のシルエットが妙に丸っこかった。
一瞬しか見てないから断言できないけど、壁をよじ登っているというよりべたっと貼り付けられてるって感じの印象を受けたよ。

627 :

>>626
日中に見ると色とか質感とかはどんな感じなの?

643 :616@

おはようございます。ほとんど眠れなかったけど仕事行かねば…
>>627
色は黒っぽい青緑って感じで、爬虫類っぽい印象を受けた。何というか、皮が分厚くてたるんでる感じ?
頭から足先まで質感に差は無かったと思う。

前に見たやつは発光してたのもあるし、どちらかというと張りのある形してたと思うから、印象は結構違う。
同じものを見てしまったと思いたくない気持ちと、別物だとしたらあのマンション一体どれだけ変なものがいるんだよという気持ちと…
あんなとこに1年半、よく平和に住んでたもんだわ…

死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?323
死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?326

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする