後輩の話。
バイク仲間で林道をツーリングしていた時のこと。
工事もしていないのに、道の途中でライトを振って交通整理している人がいる。
近づいてみると、それは人ではなくて電気で動く人形だった。
彼らは人形のスイッチを切ると、邪魔にならないように脇の繁みに突っ込んだ。
バイクにまたがり、再び林道を走り出した。
カーブを曲がる寸前に、ふとミラーを覗いて見たという。
片付けたはずの人形が、元通りの位置で規則正しくライトを振っていた。
引き返すような真似はしなかったそうだ。
山にまつわる怖い話3