水神様を鎮める祭事

知り合いの話。

彼が家を建て直すことになった時。

井戸を一つ埋めることになったのだが、それに先立って水神様を鎮める祭事をおこなったのだという。

米や旬の作物が、急ごしらえの棚に献上された。
神主が祝詞を唱えていると、いきなり井戸の水面が波打った。
そして金色に光る小さな竜が、井戸から姿を現したのだという。

竜は彼の家族の周りをくるくると回り、別の井戸へ姿を消したのだそうだ。
不思議なことに、竜が家族に触れた箇所には金粉が付着していた。
竜の姿が見えたのは彼と祖母だけで、後の家族は急に身体に金粉が付いたと言って驚いていたという。

それ以来、彼の家族は水を使う際に感謝するようになったのだそうだ。

山にまつわる怖い話3

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