毛だらけの黒いもの

知り合いの話。

真夜中、テントの中で休んでいた時のことだ。

外の荷物をがさごそする音で目が覚めた。
熊だと誰かがささやき、皆は緊張して息を殺したのだという。
その時、外から男の太い声がした。

ろくな物がねえなあ。

驚いて入口を開けると、大きな毛だらけの黒いものがいた。
身体は熊だったが、顔部の真中についていたのは白い人間の顔だった。
そいつはニヤリと笑って山の中に消えた。
チョコレートや蜂蜜などの、甘い非常食だけが失くなっていたそうだ。

山にまつわる怖い話4

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