更新されるブログ

前に、あんまり親しくないし面識もさほどない人から手紙かはがきで自分の身辺を気遣う知らせが届くといったのがあったと思うが、実際に俺自身にも似たような出来事があったのでちょっと書いていい?

長いけど正確に書くから。 あ、まだ進行形って書いたほうが正確かな?

俺の場合はブログなんだけど。

数年前に面倒になって以来、ブログはやってない。
気づいたのは遠方に住んでる何人かの友人から時折来る携帯のメール。

「そういやお前先月、香港に行ってたんだね」やら「車のキーなくして大変だったんだって?」やら「彼女もうすぐ退院できるんだって? 良かったね!」など、身近の人間や会社の人間、ましてやまだ入院中の彼女ですら知らないことまで、全国あちこちに住んでる友人からメールの折にそういう内容を書かれてきたんだ。

その彼女のことを書いてきた友人(Aとしよう)の電話で判明したんだけど。

俺「彼女はまだ入院中だよ!それにしばらく退院の目途たってないし」
A「うそつけ、昨日のブログに書いてあったじゃん」
俺「俺のブログはだいぶ前から放置してんだよ、何言ってんの!」
A「またまたw 来週16日、やっと退院できますって写真まで載ってるし」
俺「人違いじゃねーの?マジでブログ放置中だって!」
A「だって「○○のシュウちゃん(HN)」ってお前だろ?」
俺「確かに俺らにしか分からないHNだけど、誰か勝手に載せてるんだろ。ちょっとそのリンク貼ってメールで送り返してくれない?犯人捜すから」
A「いいよ。でも絶対お前だって!画像まであるし」
俺「だから俺見て確認すっから!」

Aからメールで送られてきたリンクに飛んで、唖然とした。
確かに彼女と看護婦さん達が写った画像が載ってある。

海外のレンタルサーバーであったが、全く身に覚えが無い。
確かにオーナー画像のところに俺が載ってる。 
メールアドレスもこのPCのアドレス。

週に2~3日の頻度で更新されてあり、過去実際に起きた出来事で印象に残っているものは100%と言っていいほど正確に記載されていた。
電車内で痴漢の捕物があったことや、近所の家事で自分のマンションから車で出れなくなり困ったこと、最近スマホに変えたことなど。
しかも、自分目線の画像が載っていたのには、さすがに身震いがした。

怖いのと勝手に載せられてる怒りとで、かなり複雑な心境であったが、サーバーの運営会社に連絡を取ってみる事にした。
海外ということもあり翻訳サイトを酷使し、やり取りをしてみたが上手く通じていないようだった。
IPアドレスが添付されてきたので照合すると、やはりここ。

ムカっ腹と恐怖に怯えながら一晩寝て、携帯が鳴り目が覚めた。
彼女からであった。
「あのね、もう病状大丈夫だから、来週の16日に退院できるって!」

・・・。 マジかよ。 でも、

俺「本当に良かったね! 夕方会社帰りに寄るから」といい電話を切り会社へ行く仕度を始めたが、こんな状況で仕事へ行く気にもならない。
その日は徹底的にブログのことを調べることにしてみた。

PCを起動させ、問題のサイトに飛んでみて、またも恐怖に晒された。

○日 タイトル:今日は会社を休みました。 

内容は書いてなく、マンションの窓から河川敷を眺めた、晴れた風景の画像だけが載っていた。 そう、今PCに向かってるこの、ポジションからの眺めであった。

また携帯が鳴った。 彼女からのメール。
添付された画像は、このブログに載ってる一昨日の退院決まったときの画像。

・・・。

しばらく放心していて、窓からの平和な景色を眺めて、ふと部屋の中を見ると、もう一人の自分がいた。 どう見ても自分以外の何者でもない。
でも双子ではないし、兄弟は隣県に住んでるし、何よりももう一人の自分に「生気」というものが全く感じられない。 全体的に薄く青がかっている。
そして、ただこっちをボーっと立ったまま見ている。 

でも怖さは無かった。
不思議って感じだったし、なんか妙に落ち着いた感じ。 距離にして2mほど。
俺もしばらく釘付けになり、ただそいつをボーっと見返した。
そのうち寝たのであろうか、PCの前で目覚めた。

それ以来は数日平穏に過ごし、彼女も無事に退院。
病み上がりの彼女にはこの事はまだ話してない。

ただ、今こうして書き込んでいるんだが、モニターのフチにもう一人の自分が居るのが確認できる。
生気のない俺がぼーっとしてるのがうっすら写ってる。
ドッペルゲンガーって奴かな? 
怖くて振り返れないんだけど、そろそろトイレに行きたい。

死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?291

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