奇妙な鹿

後輩の話。

小洒落た山小屋を借りて、友人たちと焼き肉パーティーを開いた。
肉を焼く網は小屋に備え付けてあったらしい。

夜中に外で音がしたので様子をうかがうと、どうやら牝鹿が一頭いるようだった。
後輩たちが外に出て近づいても、鹿は悠然と使用済みの網を舐めていた。

その鹿は、額の真中に赤い目がただ一つだけ付いていた。
好きなだけ網を舐めると、奇妙な鹿は満足気に去って行ったそうだ。

山にまつわる怖い話4

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