流れ読まずに少し前の話。
とにかく私は疲れていた。
仕事も忙しいし夜まで残業も続いたし、体調は悪いし、旦那とも些細なことで喧嘩をし家の中でも会話がない。
精神的に追い詰められていたし、孤独で寂しかった。
誰かと話がしたかった。
眠っている間につらかったのか起きたら顔が涙でぱりぱりになっていたり、掌に握り締めすぎた爪傷跡が残っていたりしたこともある。
週末の土曜日に、朝起きるとぐったりしていた。
長い夢をみていた。
どこか知らない所にいる。
目の前に大きい鳥居がある。
鳥居の先には石段がずっとある。
後ろを向くと道を挟んでまた鳥居がある。
後ろ側の鳥居の先には海がある。
私はぼーっと鳥居を背にして海を眺めている。
それだけの夢。
それなのに長距離走を何回もしたような脱力感、疲労感で起き上がれなかった。
とりあえず旦那に体調が悪いから今日は横になっていると伝え、また眠った。
おきると夕方になっていて、一日無駄にしたな・・とか思ってケータイを見ると着信が30件くらいあった。
メールもじゃんじゃん入っていて、ケータイが壊れたのか?と思ったほどだった。
メールの内容は友人や会社の人からで「大丈夫?生きてる?」というような内容だった。
とりあえず一番着信をくれた友人に電話をすると「よかった!死んだかと思った」という。
詳しく聞くと私が夢に現れたという。
生気のない顔で鳥居を背にし、ぼーっとどこかを見ている。
声をかけようにも靄がかかって私のところまで進めないという。
あまりに生々しい夢だったので連絡をしたら、なかなか電話に出ないから本当に心配したと。
少し会話をして疲れているし、今度会おうという話をして電話を切った。
次にほかの人にも連絡をすると、皆夢で私をみた、同じ状況で生気のない顔をしていたので心配したという。
とりあえずメールには一斉送信だけど「生きてま~す。今度ゆっくりご飯でもしましょう」と送った。
のろのろ起き上がってリビングに行くと旦那がいて、足首どうした?と言うので見てみると足首を掴むようなあかい痣があった。
触っても痛くないし、私の手より小さい指跡だった。
当然旦那よりも小さい手だし、うちには子供はいない。
生霊を飛ばすってのはあるけど、人を夢の中に招くってのはないな~と思った話。
自分が物臭だし、疲れすぎてていろんな人のところへ行く力すら残ってなかったのかもしれないけれど。
ちなみに夢の中の鳥居の場所って行った事ないんだけど、妙に水の音とかリアルで覚えてるんだよね。
本当にあるなら行ってみたい気もする。
死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?285