地平まで続く道 2019/6/4 雷鳥一号 知り合いの話。 通いなれた山道の、見通しの良い坂を下っている時のこと。 ふと下の方に目をやると、記憶にある地形と違っていた。 驚いて目を上げると、道の先が延々と地平まで続いて見えなくなっていた。 道は玉砂利の引かれた立派なもので、赤い鳥居が鈴なりに連なっていたという。 落ち着こうと、目を閉じて十を数え、深呼吸を三回した。 再び目を開いた時には、いつも通り里へ続く細い道に戻っていたそうだ。 山にまつわる怖い話5