棺桶の上の短刀

まだオレが小学校低学年だったころ、おばあちゃんが長年の病気の末、他界しました。
お葬式をしているときでした。棺桶の上には短刀(包丁だったかな?)が置いてあったんですが、そんな状態でお坊さんがお経をよんでいました。

家族や親戚や知人の方はそのお経に耳を傾けているのか、あるいはおばあちゃんとの思い出に浸っているのかとても静かでした。
ただただお経が部屋に響いているだけ。

そのときです。突然「ガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタ!!!」と棺桶が揺れ始めたのです。

棺桶の上の包丁も揺れていました。
お経をよむにつれてその揺れも激しくなり、やがて収まりました。
子供心にちょっと怖かったので、その後、母に「どうして揺れるの?」と聞いてみると、ちょっと信じられないような顔をしていましたが、やがて笑顔で「きっとおばあちゃんが棺桶を出て天国に行ったのよ」と言いました。

子供だったので本気で「そうなのかあ」と信じていましたが、その後何年もたったあとの親戚の葬式では、そんなことはありませんでした。

不可解な体験、謎な話~enigma~ 7

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする